「声に出す」というのは、相手に話しているつもりが、実は「自分の耳を通して聞いている」ことでもあるんですね。
これが人との対話、カウンセリングによる効果なんです。話すって大切ですね。
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空庵では、出張カウンセリングを承っております。くわしくは「助庵」まで、お気軽にご相談下さいませ。

「判断を人に依存するな 〜あなたの可能性は本人にしかわからない〜」


仕事をするというのは、生涯をかけて自分の可能性を探していく事です。こういう職業
なら食いっぱぐれがないとか、体裁がいいとか、親や先生が薦めるからとかではなく、
可能性は自分自身で探すのです。美容師でも建築士でも、大工さんでも左官屋さんでも
いい。もちろん公務員や会社員でもいいから、自分が何に惹かれているのか、寝ずに
考えてほしいと思います。可能性のない人はいないのに、その可能性に向かって、
とことん考える人が少ない。

あなたが子供を持つ親なら、職業についてサポートしない方がいい。18才を過ぎたら、
自立すべきなのです。進路について色々と口を出し、あげくに子供がおもしろくない
とか言い始めると、そんな気に入らなければ辞めて、また新しい仕事を探したらどうか?
などと言う。そんな親は、子供の将来を考えているように見えて、ただ自立を阻んで
いるだけにすぎません。

若いうちは迷うものなのです。常に意志を持って、切り開かなければなりません。楽な道
などないのです。ただ、迷いながらも決めたら、全力疾走で3年は突き進むべきでしょう。
本気で取り組めば、おもしろい事や感動する事が必ず出てくる。大切なのは、進路や自分
の将来で迷っても、人に判断を頼らないで、苦しくても自分で考え抜くこと。

人が指し示した方向へ、何となく歩いて行っても、ワクワクする日々は訪れないと思う。
自由に自分で決める。そして、責任も自分で取る。周囲の人間にできるのは、納得する
までやれ!と励ます事だけ。自分の限界を見極めて、あきらめるのも自分です。

詩人サムエル・ウルマンは「青春の詩」の中で、「青春というのは、暦上の年齢ではなく、
60才でも70才でも、目標を持って生きている時を指すのだ」と言っています。たとえ若く
ても、無気力に生きている人は、青春ではないと思います。私が30代の頃、学歴もない
建築家ではあるけれど、あなたはおもしろいと支援してくれる大阪の経済人が何人もいま
した。そして、「サムエル・ウルマンのように、自由に生きろ。青春を生きてくれ!」と
言って、仕事を任せてくれました。

延べ面積30坪前後の家を数件造った後、建物の規模も徐々に大きくなった頃に、サントリー
の佐治敬三さんから、うちの美術館を造れと依頼されました。経験した事もない大きな建物
で不安だともらしたら、「情けない事を言うな。やってみろ」と。それが、今の天保山サン
トリー美術館です。美術館の仕事を一緒にしていた時、いつも佐治さんは、とにかく人生は
おもしろくなければならないと騒いでいましたね。「仕事をしている間は、ワクワクしな
がら生きてみろ。感動しない人間は成功などしないぞ」と。その時、佐治さんは私とこの
美術館を造りながら、お互いに青春を走ろうと思われたそうです。

今の若い人にわかってほしいのは、全力疾走で青春を走っている姿を見せない限り、仕事に
はありつけない。走る当事者になれという事なのです。

/安藤 忠雄(朝日新聞より)


2003-08-14 14:07:18
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